セラミド化粧水はどれを選ぶ?松山油脂とちふれを成分で比較
前回の記事では、セラミドの種類と働きについて解説しました。
同じ「セラミド配合」の化粧品でも、ヒト型セラミドと疑似セラミドでは、肌のなじみ方や保湿の持続力に違いがあります。
今回は、その代表的な化粧水として
●松山油脂:肌をうるおす保湿スキンケア「保湿浸透水モイストリッチ」(ヒト型セラミド)
●ちふれ:「保湿化粧水」(疑似セラミド)
を取り上げ、成分の特徴と保湿のメカニズムの違いを中心に比較します。
どちらも「やさしい使い心地」を重視した化粧水ですが、配合成分に違いがあります。
その違いを理解することで、自分の肌に合う化粧品を選びやすくなります。
敏感肌用でも成分に注意が必要です
実は、“敏感肌”には、医学的に明確な定義はありません。
そのため、各メーカーが独自に処方を工夫しているのが現状です
どの商品も「刺激が少ないようにつくられている」ことは確かですが、配合成分の種類や濃度には違いがあります。
たとえば、アルコール(エタノール)や防腐剤の配合の仕方が、肌によっては刺激になることもあります。
そのため、「敏感肌用」という言葉だけで安心せず、成分表示を確認する習慣が大切です。
人によっては、同じシリーズでも「敏感肌用」よりも「さっぱりタイプ」の方が刺激を感じにくいこともあります。
使い心地は肌質によって異なるため、“自分に合う処方”を見つけることが大切です。
製品ごとの微妙な違いを見極めることが、敏感肌ケアの第一歩です。
松山油脂:肌をうるおす保湿スキンケア「保湿浸透水モイストリッチ」
松山油脂の「肌をうるおす保湿スキンケア」シリーズは、ヒト型セラミドを中心にした保湿ケアが特徴です。
なかでも、「保湿浸透水モイストリッチ」は、とろみのあるしっとりとしたタイプの化粧水で、乾燥やつっぱりを感じやすい肌に向いています。
成分の特徴
この化粧水には、5種類のヒト型セラミドが配合されています。
これらはもともと人の肌に存在するセラミドと同じ構造を持っており、肌の角質層内で外部刺激から守る“バリア機能”の働きをしたり、水分蒸発を防いだりします。
さらに、保湿サポート成分として
●ヒアルロン酸Na(水分保持)
●ナイアシンアミド(水分を保持する働きを助ける)
が組み合わされています。
アルコール(エタノール)・パラベン・香料・着色料、鉱物油は不使用。余分な刺激をできるだけ減らしたシンプルな処方です。
肌なじみと使用感
とろみのある質感が好みの方におすすめです。
敏感肌との相性
ヒト型セラミドはもともと肌に存在する成分に近く、刺激が少なく、敏感肌と相性が良いとされています。
ただし、保湿力が高くしっとりタイプのため、脂性肌や軽い使用感を好む人には重く感じる場合もあります。
また、同シリーズの「保湿浸透水バランシング」は、「モイストリッチ」よりもさらりとした使い心地で、敏感肌の人の中にはこちらの方が合う人もいるようです。
肌状態や好みに応じて使い分けることがおすすめです。
内容量・価格
肌をうるおす保湿 浸透水 モイストリッチ(120ml)【肌をうるおす保湿スキンケア】 価格:1617円 |
ちふれ:保湿シリーズ「保湿化粧水」
ちふれは、シンプルでコスパの良い処方を重視しているブランドです。
必要な成分だけを配合し、余計な香料や着色料を抑えることで、肌にやさしい化粧品作りをしています。
今回取り上げる「保湿化粧水」は、税込770円前後(180ml)で、毎日気軽に使いやすい価格帯です。
成分の特徴
この化粧水には、疑似セラミドのラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)が配合されています。
疑似セラミドは、ヒト型セラミドに似た構造を持つ合成成分で、肌のバリア機能を助け、皮膚からの水分の蒸発を防ぐ働きがあります。
さらに、保湿サポート成分として
●ヒアルロン酸Na
●トレハロース
が組み合わされています。
無香料、無着色、ノンアルコールで、余分な刺激をできるだけ減らしたシンプルな処方です。
肌なじみと使用感
水のように軽いテクスチャーで、肌になじませるとすぐに浸透し、しっとりとした仕上がりです。
ベタつきが苦手な人に使いやすい設計です。
敏感肌との相性
疑似セラミドは、肌に存在するセラミド補う働きよりも、水分の蒸発を防ぐサポートが中心なので、乾燥肌におすすめです。
内容量・価格
価格:660円~ |
ヒト型セラミドVS疑似セラミドの違い
ヒト型セラミドと疑似セラミドは、どちらも肌のうるおいを守る役割がありますが、構造や保湿メカニズムには違いがあります。
ここでは、松山油脂「保湿浸透水モイストリッチ」とちふれ「保湿化粧水」の例に比較します。
| 特徴 | ヒト型セラミド(松山油脂) | 疑似セラミド(ちふれ) |
| 成分例 | セラミドEOP セラミドNG セラミドNPなど | ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル |
| 由来 | 人の肌に存在するセラミドに近い | 合成でつくられたセラミド様成分 |
| 保湿の働き | 角質深くまで浸透し、肌のバリア機能を助け、乾燥・肌荒れ防止を目的に配合 | 肌のバリア機能を助け、皮膚からの水分の蒸発を抑える。 |
| 使用感 | とろみがあり、しっとり | ベタつかずうるおう。しっとり |
| 向いている肌質 | 乾燥肌・インナードライ肌 | 乾燥肌 |
選び方のポイント
●ヒト型セラミド:肌のバリア機能を整え、乾燥しやすい肌をしっかり保湿したい場合に向いています。
●疑似セラミド:軽いテクスチャーで日常的に使いやすく、ベタつきが気になる方に。価格も安いので、気軽にセラミドを取り入れてみたい場合におすすめです。
どちらも刺激が少なく「やさしい」処方ですが、肌質や季節、乾燥の度合いに応じて使い分けることが、より快適なスキンケアにつながります。

私は、ずっとちふれの「保湿化粧水」を使っています。今回、調べて疑似セラミドが入っていることを知りました。
まとめ:肌に合うのは“名前”よりも中身
化粧水を選ぶとき、「敏感肌用」や「しっとりタイプ」といった表記だけで判断するのは、少し注意が必要です。
メーカーごとに成分や配合量に違いがあり、肌質や季節によっても合う・合わないが変わるからです。
選ぶときのポイント
1、乾燥が強く、バリア機能を整えたい場合→ヒト型セラミド配合。
2、軽い使用感で、安くて日常使いしたい場合→疑似セラミド配合。
3、敏感肌でも使いやすいか→成分表示を確認し、アルコール・防腐剤・香料の有無をチェック
化粧水の“各メーカーが名付けた名前”よりも、配合されている成分の種類や働きを理解することが、肌に合うスキンケアを選ぶ近道です。
